泥のように眠る

アイドルのはなし 引用はご自由に

2000年間の話

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いろいろなMVを見るのが趣味の一つなので、昨日もポチポチ見ていた。これはファサが道端や橋を渡りながら歌っているMVで、やっぱり真っ赤な口紅が良く似合うなとか歌詞がVIXXのタガオネに似てるなとか思いながらぼうっと眺めていた。

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動画の終盤にクレジットが流れる。ファサが平然とした顔でこちらを眺めている。最後に出てきた言葉はSometimes even to live is an act of courageで、「生きるのすら、時として勇気による行動だ」とかなんとか訳せると思う。

私はこの言葉を知らなかったから、誰の遺した文章なのか気になって検索した。スピリチュアル系のサイトが最初にヒットして、普段なら意地でももうちょっと現実に寄ったサイトを参照するのだが、その時ばかりは全部がどうでもよくてスピリチュアルサイトのお世話になった。ルキウス・アンナエウス・セネカという、小セネカとも呼ばれる紀元後1年から70年くらいまで生きていた人が残した言葉らしかった。

哲学には昔から少しだけ興味があって、読みやすそうな書籍を見つけては挑戦して堂々巡りのような文章にめまいを起こして戸棚に戻す、ということをもう100回くらいやっている。つまり、哲学について知識がホントに全然ない。だからこの文章がおよそ2000年前に書かれたと知って、エ~ッ、人間ってそんなにおんなじ悩みをし続けてるわけ?!2000年間?!と思った。

2000年、石板がスマホに代わり徒歩がロケットになり、われわれはいつでもどこでもかかわりを持てるようになったのに、2000年もの間生きるのに勇気を必要と、している・・・。

宇宙人との邂逅は果たしていないし、アトランティスの発見も歴史には刻まれていないけど、そこまでおんなじなことある? タイムマシンは未来永劫発明されないとする説があるけど(なぜなら未来のいずれかの時点でタイムマシンが発明されているなら、その未来人は過去(今私たちがいる現在)にすでに訪れているはずだから)、もしもタイムマシンでやってきたニュー人類がいたとして、絶対鬱も消えてないし朝は起きれてないし夜も眠れてないと思う。と思った。

セネカもたぶん2020年の人間と大して変わらない悩みを持った結果、この文章を残すに至ったんだろう。

だれでも悩みがあるっていうのは今さら言うことでもないけど、じゃあなんでおなじように苦しむ人間が2000年もポコポコ生み出されてんのかね…という疑問のような愚痴のような感想はある。遅くても中世、百歩譲って産業革命のあたりで悩み事を持たない人間がアップデートされてもよかったのに。ていうか同じように悩んで同じように死ぬのに人間がこんなにたくさん生きる意味あるか?って気持ちにもなる。なんだ?危険思想になってきたな…。

 

気持ちが少し落ち着いたら今みたいに周りの事を見渡せるけど、切羽詰まってる時に生きるのにも勇気がいるからとかそんなことを他人から言われるのも自分で思い出すのもかなり癪だ。そういう時はせめてゆっくりお風呂入ったりいいものを食べたりすることで自分の機嫌を取ることを忘れずにいたい。ウ~ン…本当にありきたりな〆の言葉を言っちゃった…。